Mirage de la vie

朧 月 

黒幕のなかに燃ゆる焔のよう
朧は美しい 決して触れない 人の夢のように儚く燃えている

月の光に射られて
花々も散ってしまう

セルジュ・ルタンスの指先

緋祜

現実は美しくなどなかった
物語や歌物語の中だけが美しいのなら
わたしは物語の一部に為りたい

哀しみや寂しさや苦しみを知っているから
解る感情もある
携えて

いつかわたしにも
現実を尊べる日がきますか

現し身よ 空蟬よ

血は緋く骨は白い

佳麗

たくさん写真機を巻いた所為で
親指が赤く腫れて痛い
痛いのは生きている証だ
血は赤いのだ
生きていると忘れてしまうこと
でも忘れることを忘れてしまったら
わたしたちはきっと壊れてしまうのだろう

“寂しいのは悪いことではありません。他の存在に感謝できます。
孤独は生まれてから塵に帰るまでの苦い贅沢品です。 ” と
大好きな漫画に書いてあった

Nat King Cole を流しながら夜の高速道路を走った
星空が視界一杯に広がって零れ落ちそうだった
綺羅
あれはカシオペア

大好きな人とものを慈しみながら
まだ生きていたいとおもった

短夜の御伽

辰砂
真写
神酒
心受

辰宿・星のやどりの替わる頃
貴女は紅を落としました
そうっと小指で拭いて
その指で
紋様を描きませう
そら、御覧
星屑は散り
宇宙の法則を変えてしまう


白堊

恋慕う相手が居る人間、守るべき存在の有る人間の眼は美しい

心ノ臓を射抜く魄力
真っ直ぐで我武者羅で
其れ故の危うさ仄めかし
濡れたような瑞々しさ
此れぞ正に生命の輝く瞬間