2016年2月28日日曜日

空洞

我等人間様
他人の言葉を借りてしかもの云えぬ侘びしさよ
主観でしか語れぬ虚しさよ
意味の解らぬまま言の葉を操るも同じ
まじくなって徒然とて
其等美しく在りませぬ
美しくなければ生きている意味など失い
美しく死んだほうが増しよ
美しくお終い

仕合せって如何

儚いものよ
藍微塵は散る
六花は熔ける

貴方にも神がお在りでせう

「神」とまでは云わずとも
心の支え棒の様な
尊き存在

哀しく為ったら香水を纏ふの
止め処なく為ったら本を読むの
希望が視えぬ時は黒い瞳を視るの

2016年2月10日水曜日

龍乃夢

墜落する飛行船は
炎を吹きながら飛ぶ火焔龍
はたまた火の中に還らんとする不死鳥 鳳凰
それとも那由多宇宙から齎された隕石か

眼を変えれば
世界も変わる

2016年2月2日火曜日

amber

深く深く 琥珀のような車内
頰紅を塗したような空
窓の中の窓
都会の住処
人々の営み
幾つもの人生と
わたしの人生を
想像しながら
窓を眺めていた

疾る

黄金色の濃縮された時間