☤ 堤 慧未理 Emiri Tsutsumi
折り目をつけるように
心も身体もくっきりと変われたら
どんなによいだろうか
日常に忙殺される
日々刻々
たくさんの声や目線の中で
自分の脳が心臓が
掻き消されていく
見えなくなる
とくとく
忙殺されながら
気を保つこと
硝子を磨く
催眠のための流民
貴方は痛めた手首を曲げながら
「 」 と書きます
とくとおもしろい
眼に見える表面のものだけがすべてではない
お前の知っているものだけが世界ではない
鋭利な慧眼をもつ者たち
その鋭さ故 己も他も傷つけてしまう危うさを
頭を擡げて未来を愁う
これまでの世界が成り立ちさらに強くなっていくため(例えば統制を図るためだとか)に必要だったにしても、これからの世界はそれを超越していくのだから淘汰される
滅びゆくための道は整えられている
歩みを進めるその後ろから音をたてずに崩れ落ちていく
時の声がきこえる
愚かな 滅せよ
戸棚に蜘蛛がずっといる
そこから動かない
金子みすゞの詩を思い出す
耳鳴りがきこえる
錆びたままのカレイドスコープ