2021年12月30日木曜日

千の傷


この痛みはわたしだけのものだ


いつかどこかで
いつかあの時に

傷を受けたときも痛かった

それは開くときもまた、痛むのだ
心の錠が解け開くときにも、また


生きているから、痛いんだ
生きているから、よかった
わたしが、わたしを生きているから
今までも、わたしは生きてきたから


わたしはわたしの     を受け入れよう
わたしはわたしの     を受け入れよう

真ん中で

両手を取り合って
静かに寄り添って
ずっといつまでも
共にここに居よう

もうどこにも行かないで
もうどこにも行かないよ

混ざり合って溶けてゆく

心の真中
 中心
 真心

穏やかで凪いでいて安らかで
染み渡るように温かいところ

円盤

打ち拉ぐ(リズム)に合わせて
クイと顎を持ち上げる
動作(ダンス)をする女給仕(ウヱイトレス)の腕


皿を持ち上げながら
皿を投げ並べながら

並んでいた
その先で
  土  と 囁く夢
 つち と囁かれる夢 

その湿度