私宇宙
☤ 堤 慧未理 Emiri Tsutsumi
2015年11月30日月曜日
森羅万象
消えてしまった恋たちよ
其れでも愛は失せることはない
桜貝色した爪の一粒となり
海の泡沫となり
わたしの心の鱗片となって
育てていく
ひとつひとつの出来事はすべて運命だ
だから意味の無いものなんて
ひとつもないんだよ
生きるとはそういうことよ
2015年11月27日金曜日
天上天下唯我
唄い 踊り 転がり 眼剥いて
感情の赴くままに
誰かに消費されるなぞ此方人等御免よ
わたしの人生を生きるのはわたし
今生 今宵 一度きり
使い果たして
世界の果て
行き着くなら桃源郷
2015年11月15日日曜日
ksana
わたしの二十歳はお終い
二十一歳になった
生きていながら
いつか必ず死と云うお終いがくるのだ
と 常に頭の中に在る
何故みんな死の匂いを嫌うのだろう
死があるからこそ生は瑞々しく輝ける
終わりがあるから一瞬のその刹那が美しく感じる
腐っていく身体は魂の容れ物でしかない
魂が居場所を移り変える瞬間をこの眼で見てみたい
その点、役者や演者は凄い
何回も己の身体の中に違う魂をすりかえているのだから
演じることをしてみたい
わたし以外の魂を扱ってみたい
まなこ、開けよ
その痛み、御前のものだらう
2015年11月5日木曜日
真の夢
空気は嘘をつかない
いつだって真実誠なり
撮影者と被撮影者の間にある空気
写真機という無機物が間を介してしまうのが口惜しいが
レンズを構えれば空気が変わる
そう云う相手との
時間と空間が好きだ
布団に顔をうずめれば
宇宙がみえる
夢にみたことは現実となりうる
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