黒き月の園 / Innocence
裁かるるジャンヌ
時代の女神
その時その人にとって必要だっただけ
魔女
聖女
異端の神
異教徒
甘く瑞々しい無実の果実が
人間達が樹からもぎ取り美味しそうに頬ばるそれが
実はゆっくりと効く末梢から腐敗させる神経毒だったのだとしたら?
他人に何を云われてもいい
大切なものが何かはわかっている
わらべうた
「愛されたい」「もっとわたしをみて」
と泣き噦り叫んでいるわたしのなかに
ずっと踞っているわたし
差し出された愛も掬えずに
不知火
「もっと前から話したかったのに、大人になってしまった」
泣きながら笑う わたしを見ている
わたしは現実にいなかった
Terra
「これは地球の望んでいることなの。人間に例えれば自己治癒能力とでもいうのかしら、浄化作用がはたらいているのよ。すべて一度表面に排出して、膿んで、破れて、乾いて、元に戻る。地球だって宇宙細胞のひとつ。わたしたちは地球という惑星のちっぽけな細胞に過ぎない。終末は最初から決まっていた」
Chronus
折り目をつけるように
心も身体もくっきりと変われたら
どんなによいだろうか
日常に忙殺される
日々刻々
たくさんの声や目線の中で
自分の脳が心臓が
掻き消されていく
見えなくなる
とくとく
忙殺されながら
気を保つこと
硝子を磨く
催眠のための流民
貴方は痛めた手首を曲げながら
「 」 と書きます
とくとおもしろい
滅びのための二元論
これまでの世界が成り立ちさらに強くなっていくため(例えば統制を図るためだとか)に必要だったにしても、これからの世界はそれを超越していくのだから淘汰される
滅びゆくための道は整えられている
歩みを進めるその後ろから音をたてずに崩れ落ちていく
時の声がきこえる
愚かな 滅せよ
戸棚に蜘蛛がずっといる
そこから動かない
金子みすゞの詩を思い出す
耳鳴りがきこえる
錆びたままのカレイドスコープ
In The Dark / White Out
大人になるってのはなんでこんなにつらいんだ
少女の胸が膨らむときに痛むのとおんなじさ
酒くさいエレベーター
眼はどんどん見えなくなっているのに
過剰な感度やこみ上げる胃液
それでも途切れ途切れの音は心地好い
家に帰ったらすべてを燃やし尽くしたい
声にならない声で君のうたを唄う
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