2021年12月30日木曜日

千の傷


この痛みはわたしだけのものだ


いつかどこかで
いつかあの時に

傷を受けたときも痛かった

それは開くときもまた、痛むのだ
心の錠が解け開くときにも、また


生きているから、痛いんだ
生きているから、よかった
わたしが、わたしを生きているから
今までも、わたしは生きてきたから


わたしはわたしの     を受け入れよう
わたしはわたしの     を受け入れよう

真ん中で

両手を取り合って
静かに寄り添って
ずっといつまでも
共にここに居よう

もうどこにも行かないで
もうどこにも行かないよ

混ざり合って溶けてゆく

心の真中
 中心
 真心

穏やかで凪いでいて安らかで
染み渡るように温かいところ

円盤

打ち拉ぐ(リズム)に合わせて
クイと顎を持ち上げる
動作(ダンス)をする女給仕(ウヱイトレス)の腕


皿を持ち上げながら
皿を投げ並べながら

並んでいた
その先で
  土  と 囁く夢
 つち と囁かれる夢 

その湿度

2021年11月30日火曜日

sol

ベッドの上で撒き散らす熱い涙目火の羽根

激しい慟哭は
過ぎた呼吸は
のたうちまわり
仰け反る背骨の

二律背反

生きたいと願うことと
死にたいと願うことは
とてもよく似ている
背中合わせの相反する

2021年11月16日火曜日

jugate

私は知っている

鳥籠の中で飼われている不死鳥が
本当は華麗に暁の空を舞うことが
できるのだということを



私は知っている

海の底奥深くで瞳閉じ眠る龍王が
本当は雄大に天空を翔けることが
できるのだということを




外に出して欲しい

渦巻く気流の叫び




自ずから自由に開け放たなければ
呼吸を止めてしまえば 終いには
衰えゆきか細く弱り死んでしまう




扉閉す錠は只管
「ない」という
思い込みだった

2021年11月9日火曜日

白い葬列

いつの間にか死んでしまった
知らぬ間に失くしてしまった
閉ざした柩白い花嫁と
今度こそ守り抜く と
涙ながらに誓う騎士と

あの時あの花は
実を結ぶために
散ったことを
今ならわかる


散りて尚美しい
永遠に枯れぬ花


嘆きの歌に終止符を
今この瞬間に祝福を




一つに還していくことよ
唯  還っていくことよ




私は ずっと ここにいて 何時でも 何度でも
「おかえりなさい」と言おう



また逢えたね



出逢うたびに
  懐かしく
  生まれ直すたび   旅  これは帰還の旅
    新しい
 あなたらしい


2021年10月27日水曜日

繰り返すたび
新しく生まれ
笑み咲く花よ
それは螺旋花

2021年10月21日木曜日

番人と鍵盤

わたしの中の奥深くに在る
螺旋階段式のオルゴォール
鍵の当たる音
蝶番の開く音