☤ 堤 慧未理 Emiri Tsutsumi
蛹だった。
溶解する条理には
ただ横たえるしかなく。
私のなかで
死んでいくものと
花開くものがいる。
同時だ。いつも
啐啄同時。
わたしたちは 生きながらに、何度も、生まれ変わる。
「もう小鳥じゃない」
そう。ならそれは 鳳凰おおとりだ。
ようこそ。
冷厳で、灼熱な
冥王星の
露の滴る
久遠の園へ
反転する冥界下り。
下がることは、上がること。
さあ、君の奈落を見せて 御覧よ。