大人になるってのはなんでこんなにつらいんだ
少女の胸が膨らむときに痛むのとおんなじさ
酒くさいエレベーター
眼はどんどん見えなくなっているのに
過剰な感度やこみ上げる胃液
それでも途切れ途切れの音は心地好い
家に帰ったらすべてを燃やし尽くしたい
声にならない声で君のうたを唄う
僕は此処で
自分が朽ちゆくのを待っている
皮膚が剥がれ落ち
骨が溶けて
血が退いてゆく様を
只々みつめている
「わたしの痛みは、いつでもわたしの痛みだわ」
こわいのは
揺れる魂
それだけ
僕が詩を書くことはない
僕が死を描くことはない
それは呪いでもあり呪いでもある
書くことや作り出すことで
まだここに居てもいいのだと思えるなら
いくらだってやる
何でもする
ずっと届かない
ひややかな諦めの眼
ゆるやかな死や滅亡
許すことや選ぶことは難しい
爪痕が痛むのは生きているからだよ
はやく、はやく眠ろう
夢に還ろう
なまぬるい闇に
黙っていて
裏切らないで