幕間

 




黒き月の園 / Innocence

裁かるるジャンヌ
時代ときの女神

その時その人にとって必要だっただけ

魔女

聖女

異端の神

異教徒


甘く瑞々しい無実の果実が

人間達が樹からもぎ取り美味しそうに頬ばるそれが

実はゆっくりと効く末梢から腐敗させる神経毒だったのだとしたら?


他人に何を云われてもいい

大切なものが何かはわかっている

わらべうた

「愛されたい」「もっとわたしをみて」

と泣き噦り叫んでいるわたしのなかに

ずっと踞っているわたし


差し出された愛も掬えずに

不知火



「もっと前から話したかったのに、大人になってしまった」

泣きながら笑う わたしを見ている




わたしは現実にいなかった

時計の魔女

廻り 重なる 罪と罰

もしそれが噓だったとしても

噓だと告げないで

子宮と排水口の夢

爪と皮膚の境間の痛み

吸いながら吐いているような

Raven

鴉が一斉に飛び立つのを見た

こちらに向かって

窓の中にいるのに

心臓は脈打っている


太陽の仕い

天空を翔る

黒点の花弁

守護星 / 心

果てしない夜の中で深く唯静かに燃える 緋い水 碧い焔 

Terra

「これは地球の望んでいることなの。人間に例えれば自己治癒能力とでもいうのかしら、浄化作用がはたらいているのよ。すべて一度表面に排出して、膿んで、破れて、乾いて、元に戻る。地球だって宇宙細胞のひとつ。わたしたちは地球という惑星のちっぽけな細胞に過ぎない。終末は最初から決まっていた」

Chronus

折り目をつけるように

心も身体もくっきりと変われたら

どんなによいだろうか


日常に忙殺される

日々刻々

たくさんの声や目線の中で

自分の脳が心臓が

掻き消されていく

見えなくなる

とくとく


忙殺されながら

気を保つこと

硝子を磨く

催眠のための流民


貴方は痛めた手首を曲げながら

                  」 と書きます

とくとおもしろい

徒花

眼に見える表面のものだけがすべてではない

お前の知っているものだけが世界ではない

鋭利な慧眼をもつ者たち

その鋭さ故 己も他も傷つけてしまう危うさを

頭を擡げて未来を愁う

滅びのための二元論

これまでの世界が成り立ちさらに強くなっていくため(例えば統制を図るためだとか)に必要だったにしても、これからの世界はそれを超越していくのだから淘汰される

滅びゆくための道は整えられている

歩みを進めるその後ろから音をたてずに崩れ落ちていく

時の声がきこえる

愚かな 滅せよ


戸棚に蜘蛛がずっといる

そこから動かない

金子みすゞの詩を思い出す


耳鳴りがきこえる

錆びたままのカレイドスコープ

いちばん大切なことは

誰にも言わない


墓場の蝶

池魚籠鳥


秘儀を伝えるには

身ひとつあれば易い

回廊

君の黒い瞳と黒い髪を信じている
    回りながら落ちゆく鳥の死骸
石英の削られた切先にくちづけを
瀝青材の油の煌めきは綺麗ですか
    濁りながら沈みゆく人の死骸
君の白い肌と白い唇をみつめてる

In The Dark / White Out

大人になるってのはなんでこんなにつらいんだ
少女の胸が膨らむときに痛むのとおんなじさ
酒くさいエレベーター
眼はどんどん見えなくなっているのに
過剰な感度やこみ上げる胃液
それでも途切れ途切れの音は心地好い

家に帰ったらすべてを燃やし尽くしたい
声にならない声で君のうたを唄う