2022年1月18日火曜日

薔薇窓

自分のことも儘ならない二十七歳が夕方下校する子供たちが敬語で大人の目をしっかりとみて寧ろきっと見据えて挨拶する様を見て眼は滲み何度も握った拳を振りながらくちびるを噛み締めながら駅まで歩く
あの日 教会の中で聞いた 近所の子供たちが駆け回りうたう童唄の遊びと窓硝子から黄金の陽射し
姿見えずとも影絵のようにたゆたう陽炎 蜉蝣 
われは継ぐもの われは告ぐもの 巫浄よ それを穢れとするな 穢れと思うな その血の色も 絶対に守れ いのちあるもの
誰も何も裏切りたくない