2016年11月1日火曜日

春夏秋冬花鳥風月

緑萌える菜の花畑に

雛罌粟のささめごと

緋の紅葉を踏み躙り

六花凍てつき垂れる

2016年9月15日木曜日

流星羣

思慮深くほどけていく夜に

すこしずつ秋の涼しさ


はやく
湯気が眼に見えてゆらめくくらい
寒くならないかしら

甘いカラメルのような
体温と
星空と

2016年9月8日木曜日

短歌

痛みさえ
愛しく思ふ
生命の強さ
染まる切先
屠るる血汐

2016年8月24日水曜日

生活

此処のウィンナ珈琲は仄かに甘くて安心する味がする。

不安定になってしまったときのことは平常時はあまりよく覚えていない。
自分の中に違う人間が巣食っているような気がする。
帷が落ち、訪れる。

煙草はもう吸えなくなったが、誰かが吸っている香を嗅ぐのは好きだ。

「只、生きているだけでいい」
そう云って欲しかった。
それだけなのに。

2016年8月16日火曜日

翡翠

汝の身のまわりの人々、境遇は決して汝の装飾品ではない。
汝の進むべき道を灯す宝玉なのだ。
鎧で身を固め、付け焼き刃で戦っていては前には進めぬ。
永久とこしえに。