2016年9月8日木曜日

短歌

痛みさえ
愛しく思ふ
生命の強さ
染まる切先
屠るる血汐

2016年8月24日水曜日

生活

此処のウィンナ珈琲は仄かに甘くて安心する味がする。

不安定になってしまったときのことは平常時はあまりよく覚えていない。
自分の中に違う人間が巣食っているような気がする。
帷が落ち、訪れる。

煙草はもう吸えなくなったが、誰かが吸っている香を嗅ぐのは好きだ。

「只、生きているだけでいい」
そう云って欲しかった。
それだけなのに。

2016年8月16日火曜日

翡翠

汝の身のまわりの人々、境遇は決して汝の装飾品ではない。
汝の進むべき道を灯す宝玉なのだ。
鎧で身を固め、付け焼き刃で戦っていては前には進めぬ。
永久とこしえに。

2016年7月28日木曜日

詭弁

昔は眠ることが大好きで周りからは「眠り姫」なんて呼ばれていた。
今は眠ることが嫌い。嫌いというかおそろしい。
朝起きるといつの間にか膝に痣ができている。
夢の中の自分のほうが能弁だ。

いろいろなことがおそろしくなった。
歳をとるということ。

高校時代に母を亡くした友人のことを思い出した。
大学も一緒で、もう駄目かもと思っていたところをわたしに誘ってもらえて、助かったと云っていた。

わたしはいったいこれまで何人の心を潰してきたんだろう。


2016年5月12日木曜日

Claíomh Solais

「いつか必ず死ぬ」
その事実がわたしを強くする

生きていると忘れていくばかりね
死ぬ直前に総て思い出せるかしら

眼の前も眩むで視えなくなる
頼れるのは己だけ 己だけ

他人様に何と云われようと
貫き通しなさい
グングニルの刃は
貴女が思っているよりも靭く妖しい