2022年1月29日土曜日

躯

わたしの中の少女、それはこれまでとこれからのすべての生の、編んで紡いできた少女、廻る花、いつか鳥籠の中から庭を眺めていた白い小鳥、少女が眠れるようにと囁くように歌う小鳥、優しくやわらかく包み込む花弁、銀の鱗と羽、月光の庭、神々の石像、黄金の瞳、回廊、祈るために跪く体

2022年1月18日火曜日

薔薇窓

自分のことも儘ならない二十七歳が夕方下校する子供たちが敬語で大人の目をしっかりとみて寧ろきっと見据えて挨拶する様を見て眼は滲み何度も握った拳を振りながらくちびるを噛み締めながら駅まで歩く
あの日 教会の中で聞いた 近所の子供たちが駆け回りうたう童唄の遊びと窓硝子から黄金の陽射し
姿見えずとも影絵のようにたゆたう陽炎 蜉蝣 
われは継ぐもの われは告ぐもの 巫浄よ それを穢れとするな 穢れと思うな その血の色も 絶対に守れ いのちあるもの
誰も何も裏切りたくない

2021年12月30日木曜日

千の傷


この痛みはわたしだけのものだ


いつかどこかで
いつかあの時に

傷を受けたときも痛かった

それは開くときもまた、痛むのだ
心の錠が解け開くときにも、また


生きているから、痛いんだ
生きているから、よかった
わたしが、わたしを生きているから
今までも、わたしは生きてきたから


わたしはわたしの  陰 闇  を受け入れよう
わたしはわたしの  光 陽  を受け入れよう

真ん中で

両手を取り合って
静かに寄り添って
ずっといつまでも
共にここに居よう

もうどこにも行かないで
もうどこにも行かないよ

混ざり合って溶けてゆく

心の真中
 中心
 真心

穏やかで凪いでいて安らかで
染み渡るように温かいところ

円盤

打ち拉ぐ音(リズム)に合わせて
クイと顎を持ち上げる
動作(ダンス)をする女給仕(ウヱイトレス)の腕

は

皿を持ち上げながら
皿を投げ並べながら

並んでいた
その先で
  土  と 囁く夢
 つち と囁かれる夢 

その湿度

2021年11月30日火曜日

sol

ベッドの上で撒き散らす熱い涙目火の羽根

激しい慟哭は
過ぎた呼吸は
のたうちまわり
仰け反る背骨の

二律背反

生きたいと願うことと
死にたいと願うことは
とてもよく似ている
背中合わせの相反する